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私たちは殺し屋だ(殺処分の現状)
日本国内ではペットブームが起こり、私たちは犬や猫のことを「大切な家族」と捉える人が多くなりました。
しかし実際には、私たちを幸せにしてくれる動物は、わたしたちの手によって殺処分されているのです。この現実について皆さんはご存じでしたでしょうか?そう、わたしたちは多くの動物を処分している。いわば「殺し屋」なのです。
今回は動物の殺処分についての現状や取り組みについてをお話ししますので、ぜひ参考にしてください。興味を持っていただけたら幸いです。
殺処分ってなに?
殺処分とは、人間が犬や猫を殺すことです。
現在行われている殺処分の方法としましては、主に有毒ガスによる窒息死や安楽死です。その中でもコストの関係上、窒息死が多いのが現状です。
また、殺処分には期限が設けられています。殺処分を行っている保護センターは最低でも2日間は施設に収容しなければなりません。しかし、厳密な法によって定められているわけではないので1日もかからずに殺処分を行うところもあれば、1週間程度や殺処分を行わない施設もあり、様々です。
殺処分についての現状は?
ずばり、殺処分の数としましては環境省の令和2年度のデータによりますと、犬が4,059匹、猫が19,705匹になっています。こんなにも多くの動物が殺処分をされているのです。しかしこの数字、いままでの年の殺処分数と比べると減少しています。過去10年分と比較すると、犬猫合わせて150,990匹減少しています。着実に殺処分の数は減少しているのですが、いまだに多くの命が失われているのが現実です。
また、殺処分が多い理由としましては、保護センターが動物を預かる数が大きく増加しているということが挙げられます。さらに預かるケースとしましては、野良動物の増加、ペットとして買っていた飼い主が老いや病気から魅力を感じなくなったからという問題があります。魅力を感じなくなってからは保護センターに預けたり、そのまま捨ててしまうケースもみられます。
保護センターは預かる際に平均15万円程の預かり金を徴収しています。そのため、金額を払うのがばかばかしいと思った飼い主が野良として捨ててしまっているのも現状になっています。
現在行っている取り組みは?
主に愛護団体やボランティア活動が挙げられます。愛護団体とは保護センターで殺処分を待つ動物たちを預かり、飼い主を一緒に探す団体です。現在愛護団体は動物カフェの経営を開始したり、動物の殺処分を減らすために様々な活動を行っています。実際にこの活動をしている方たちのおかげで多くの殺処分がなくなりました。ほかにも近年はインターネットやSNSを用いた譲渡サービスやアプリの展開、動物ふれあい教室や非営利団体がレスキュー犬を育成するために里親になるケースが見られます。
また、保護センターが動物を預かる数を削減させるための活動として、飼い主から預かる際の安易な理由は受け入れないといった規制を定めたり、野良動物の繁殖拡大の防止のために去勢手術、逃亡対策のためにマイクロチップの導入と殺処分を無くすための取り組みは着実に進んでいます。
私たちができることは?
私たちができることは、大きく分けると5つあります。1つ目が保護動物の里親になること、2つ目が保護動物に関するボランティア活動をすること、3つ目が保護団体に寄付をすること、4つ目がペットショップやブリーダーからの購入を控えること、5つ目が殺処分の現状を周りの人たちにも知ってもらうための活動をすることです。
実際に殺処分対象である犬と猫は、ペットショップやブリーダーからの預かりがとても多く、保護センターからの受け入れをする人は極めて少ないです。そのため、少しでも殺処分の現状についての認知を拡大し、保護センターや愛護団体からペットを預かる人が多くなるだけで多くの殺処分数が減少します。
今後の課題
今後の課題としましては、私たちができることにも挙げたように、保護動物の里親になることやボランティア活動をさらに活性化させるということが挙げられます。また、インターネットを駆使してどれほど貢献のできる殺処分を減らすためのシステムや制作を作れるのかが今後の課題になると考えられます。実際にSNSを用いた里親マッチングサイトやアプリも普及していますが、まだ未完成のものが多いため、課題となっています。
その他にも、老いや病気からペットを見捨てるといった問題が起こらないためにも浅はかな理由で飼い主になることを防ぐための譲渡講習やペットショップやブリーダーの買取数を減少させるための政策を考えることも今後の課題です。
まとめ
殺処分とは、私たち人間が窒息死や安楽死を用いて動物の命を落とすことです。
殺処分数は年々減少していますが、犬が4,059匹、猫が19,705匹といまだに多くの殺処分が行われています。理由としましては、保護センターが動物を預かる数が増加しているということです。
そこで現在、愛護団体やボランティアが保護センターから動物を保護したり、イベントの開催をして里親を見つけていることだったり、非営利団体が野良動物をレスキュー動物にするといった取り組みが行われています。
私たちができることとしては、寄付や保護センターからの受取、認知拡大を促すといったことが考えられます。
今後は以上の内容を念頭に入れて殺処分を減らすための制策を考えていく必要があります
今回は「私たちは殺し屋だ」といったテーマから殺処分の現状について記載させていただきました。
ここまで読んでいただきありがとうございます。