SDGsという言葉は、近年多くの企業で取り組まれるようになってきて、皆さんもよく耳にするようになってきていると思います。
しかし、具体的にはどんなことが取り組まれているのかわからないという人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、日本国内でどのような取り組みが行われているのか、51の事例をゴール別に紹介していきます。
目次
企業がSDGsに取り組むメリット
企業価値が上がる
SDGsに取り組むことで、企業価値=ブランド力の向上を図ることができます。ブランド力が向上は、ステークホルダーからの信頼を得ることにつながり、売り上げ向上だけでなく、投資家から出資を多く得られたりするなどのメリットがあります。
このようにSDGsに取り組むということは、社会貢献つながるといったことから必然的に社会的評価が高くなります。それに伴い、従業員の意識変化や取引先の拡大など企業としての価値も大きくなっていきます。
さまざまな企業が企業価値向上を目指してSDGsに取り組む背景には、ESG投資への注目の高まりがあります。ESG投資とは、従来の財務情報だけでなく、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)要素も考慮した投資のことを指し、投資家の中でこの投資方法が拡大しています。
SDGsに取り組むということは、貧困や飢餓、環境汚染などといった環境や社会、経済が抱える問題に取り組むといった意味が含まれています。つまりSDGsへの取り組みはESG投資の評価につながってくるのです。
ビジネスチャンスにつながる
企業は、消費者のニーズを分析し、そのニーズに応じてサービスや商品を生み出していきます。しかし、近年では、少子高齢化や消費者ニーズの多様化などにより、「消費者のニーズが計りきれない」という課題を抱える企業が増えています。このような状況下で企業の長期的発展を目指すうえで重要となってくるのが、「社会のニーズ」を掴むことです。
そこで、社会の課題と長期的なニーズをおさえている「SDGs」が注目されてきています。SDGsの根幹「持続可能な開発」は、言い換えると、「将来世代のニーズを損なわずに現代世代のニーズを満たす開発」と言っているわけです。つまり、SDGsに取り組むことで社会のニーズを満たしながら、ついでに、社会の抱える問題解決につなげることができるのです。
このように、企業がSDGsの視点を持つことによって消
費者のニーズを正しく把握できるようになり、新規事業に参入しやすかったり、SDGsへの取り組みが評価されることで他業種との協力を得られたりするため、ビジネスチャンスにつながる機会が多くなります。
採用力が強化される
近年では、学生にとって、就職先を選ぶ上でSDGsへの取り組みは1つの大切な指標になっており、企業がSDGsへ取り組むことで、多くの学生に注目されることになり、採用活動の強化につながります。
というのも、株式会社学情が行なった、2023年に卒業予定の大学生・大学院生を対象とした就職活動とSDGsに関するインターネットアンケートによると、SDGsに関する取り組みを就職活動において「意識する」「どちらかと言えば意識する」と回答した学生は、合わせて57.6%となっており、半数以上の学生が就職活動においてSDGsを意識していることが分かっています。
また、就職活動において、企業がSDGsに取り組んでいることを知ると「志望度が上がる」「どちらかと言えば志望度が上がる」と回答した学生は合わせて73.9%となっており、7割以上の学生がSDGsを行っている企業に対して良いイメージを持っています。
このように、SDGsに取り組むことで、多くの学生からも志望されることにつながり、採用力を高めることができるのです。
企業・団体の取り組み51選
ここでは、各目標ごとに3つの事例を紹介していきます。
ゴール1「貧困をなくそう」
企業①:パナソニック「かものはしプロジェクト」
このプロジェクトでは、経済格差の広がるカンボジアで、最貧困層女性の雇用を創出と人身売買の規制支援を行っています。
具体的には、大人を雑貨屋で雇い、エコバッグやブックカバーなどを制作する仕事を与え、大人に安定的な収入を供給し、子供を売らなくても済むようにしたり、警察による取り締まり強化を支援を行ったりしています。
企業②:株式会社ジモティー
ジモティーでは、地元の掲示板をオンライン化したサービスで、いらなくなったものを「売りたいひと」と「買いたい人」をマッチングさせてくれます。